子供に四季を感じさせる行事を。
ほら、来た。またプレッシャーだ。
実家にいる頃は七草がゆ、笹巻(もち)、栗ご飯、たくあん漬け、白菜漬け、おせちづくり、干し柿、切り干し大根、干しシイタケ、鏡餅、いろいろやった。
母や祖母が忙しそうにやっているので手伝わないわけにいかない。
結構な量を作るので「お楽しみ」どころでない、立派な労働である。
栗ご飯やモチ以外ははっきり言って子供心にすごくうれしいものでもなく、七草がゆとか、おせちとかあまりおいしいとも思えない。
ただ、年中行事なのでやるのが当たり前だと思っていた。
結婚して、自分の家族ができたので、と、数回おせちを作ってみた。
年末の買い出しから(これが結構大変)手間暇かけてつくっても、夫、子の反応はすこぶる悪く、労働の対価に合わないカンジである。
年中行事の意味ってなんだ?まさか、受験ネタのためではないだろう。
私はその意味を子に伝えることができない。
おせち料理、作らない選択をしたらお正月が楽になった。
そういう思い出がない子は不幸なのだろうか。
いろいろやった子供の自分が幸福だったとも思えない。
ただ、父母がいなくなったら、あのおいしいお餅とかは永遠に口にできないだろうなあ、とちょっとノスタルジックな気分になったりはする。
そしてそれを、他のだれかと共有することはないだろう。
両親にはちょっと申し訳ないと思う。