気合の1着

もしかして、もう、そんなにたくさんの服がいらない?

断捨離しようと狭いクローゼットを覗いて思った。必要最低限のスーツとコートしか入っていない。

そもそも洋服を買うイベントがない。結婚式ラッシュはとうに終わって、自分が最大の主役の結婚式が終わったら、コンタクトレンズもいらなくなった。

新しい洋服を買いたくなるようなわくわくするデートも記憶のかなたの出来事だ。

息子の七五三祝いはとっくに終わった。

ここ最近では小学校の卒業式と中学の入学式用に服を買った。いずれも子供がらみのイベントばっかだ。

夫がノーベル賞を受賞するとかいうなら別だが。

そもそも、イベントがないと服は買わないものなのか。

無駄使いをするのが少し減ったと思えば大人になったのか。

よく考えたら、今後のイベントって何かあるのか。

あったら大学の入学式?あったら息子の結婚式?

ここのところ親戚の結婚式づいていたが、はっきり言って席を枯れ木も何とかなので、恥ずかしくない程度の格好しておけば文句は言われない。全然心躍らないイベントだ。

友人たちの結婚式への参加も当初は楽しかった。何を着るの?って相談しあったり。

新婦の友人テーブル席の華やぎとは最大のお祝いである。あの席が地味だと華やかさにかける結婚式になってしまうから。

そういえば友人から結婚式の後、文句を言われたことがあった。

「あんたたちの席さあ、どこよりも(たばこで)煙ってんのよ。もう」

う~ん。確かに喫煙率高いテーブルだった。そして、そのころのはやりで結構皆黒いスーツを着用していた。

いくら○○ブランドでも結局黒の塊にしか見えないし。おまけに誰一人カメラを持ってきていなくて、慌てて使い捨てカメラを買った。あれは悪いことをしたな、と、思う。

いい加減、結婚式だれした最後あたりの式だ。漫画みたく、そこで新たな出会いがなんて話もそうそうないことも判りきっていて気合も抜けまくっていた。

気持ちの入った一張羅欲しいなあ。

あとは、普段着数枚でいい。

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