女の子は抱っこしてもやわらかくて軽いんだけど、男の子は硬くてしっかりしてて同じ体重でも重いんだよね。
ベテランの看護師さんが言っていた。
そういえば、息子を抱っこしてもフワフワしてるなんて思ったことがないな。
息子が毎月のように熱を出して四苦八苦して仕事を続けていたころ。
「女の子の方が育てやすいんですよね~」 女の子を持つ同僚が言った。
だから? (私)
「私、ベビーシッターなんて契約してないですよ」 (彼女)
まじか。私はしょっちゅう利用しているからお給料の半分以上は、保育園代とシッター代で持っていかれてるけど。
『熱が出たんで』なんて理由でとっても勤務を休めるような状況ではなかった。
息子が入院しているときでさえ、「明日の仕事来れるか」なんて平気で聞くような上司だった。
(こっちは、もしかしたら手術かもと祈るような気持ちで待合室で待っている立場なのに。あの上司とのやり取りを考えると今でも悲しくなる。仕事はできるんでしょうけど)
結局、北海道、それも道東の田舎に出張中の夫を呼び戻してその後の対応してもらった。夫の上司の方が余程理解があった。
「(あなたんとこの)上司、最低だね」
全くだ。平の私が休めなくて、一応役がある夫の方が休むことになるなんて、なんて忙しい平社員なんだろう、私って。
話が脱線してきた。本題に戻る。
男の子って育てにくいのか?
中学受験の時、塾の先生が言っていた。
男の子は褒め殺しで「すごい! カッコいい!! やるう~!!! この3語で十分ですよ。それ以上言っても聞いてませんから」
まじか。それって私にしてみたら馬鹿にされてるようにしか聞こえないけど。
塾の先生が続けた「その点、女の子は難しいんですよ。上から目線はだめです。1人の女性の先輩としてのアドバイスよってスタンスをとらないと反感買うだけですから」
う~ん。私はそういうポジションをとりたかったのだ、まさに。
私が男勝りでぼやぼやしてる男子は叱りつけるような女子だったので、ちっとも可愛げがなかった。だから、女の子らしくとかって最も私に似合わない言葉だった。
そのコンプックスか、花のように可愛がって女の子を育てるんだという野望があった。
デパートの子供服売り場、女の子用の服でお花が咲いていた。
それに引き換え、男の子の服は一画のみ。それもグレーや黒、青、明るくてアイボリー、地味だ。どうしようもなく地味だ。
最初は抵抗したが、そのうち、それで十分だという気持ちになった。
なんたって、当の本人が一向に気にしないから。本人の要求はひとつ、着やすくて動きやすい服。
「女の子はお手洗いでおむつのコンテストやってますからね」 「あなたは、アンパンなの?私はプーさんよ~ってな具合に」
保育園の先生から聞いたお話。女子は生まれた時から女子なのだ。
息子には3歳から10年たっても、かける言葉は変わらない。
「(外から帰ったら)手を洗いなさい」
「脱いだ服は片付けなさい」
「食べ終わった食器は片付けなさい」 等々。
そういえばSARSも手を洗わないいい年の大人(男)から世界中に広がっていった。
「ホントに男って生き物は、、、、、、。やっぱり女の子だ。」と呟くと
「勘弁してよ。想像してみな。うちの子がもし、女の子だったら。あんたみたいに口の立つのがもう一人家にいるんだよ。連日、母娘のものすごいバトルになってるよ。俺なんか居場所なくなってるよ」
家にいる産んだ記憶のない手のかかる大きい息子が言った。
そりゃ、大変だと思った。
我が家はなるべくして、息子が生まれたんだと思うことにした。
そういえば、女の子は育てやすいと言っていた彼女に先日会った。
「女の子は、面倒ですよ。口がたつから。そのほか、洋服とか、お弁当の中身とか、いちいち要求が厳しくて」
あら、言うことが変わった。
まあ、どちらにしても子育てはたいへんということか。