ウエディングドレスが大好きで何人もの友人の衣装合わせにくっついて行った。
その中でもディズニーホテルの衣装合わせが1番面白かった。
ワンフロアで何人もの花嫁が衣装合わせをするから、さしずめディズニープリンセスコンテストの様相を呈している。
ゲゲっ、これ、自分の花嫁姿に自信がないと来れないじゃん。小市民の私には無理だ。瞬間的に悟った。
しかし、そんな私の心配は、リア充の皆さんには余計なお世話だった。
皆、私が主役のドヤ顔ばかり。
でもねぇ、余計なお世話のおばさんはひとりごちた。
アンタ、その体形でそのドレスは見たくないよ、その顔でそのデザイン?つうか、そのカラー、ブスに拍車がかかるじゃん。
何せ、いつもの衣装合わせと違って比較対象がいるから、より残酷だ。
品定めをして楽しんでいると、ついて行った後輩に聞かれた。
「○○さん(私の事)、どうですか?」
やっぱり。顔立ちのキリッとした美人だからどれを着ても様になる。
一緒にくっついて行った私も鼻高々だ。
「どれも可愛いけど、美人はスッキリしたドレスの方が良いかも」
「あんなにキレイだと、皆に自慢したくなるね。いいなあ」と一緒にいた彼氏に言うと、「そうですかね」と言いながら、まんざらでもない様子である。
美人でカンジも良く、仕事ができる言うことがない後輩だ。
それ故、彼氏は心配で仕方がないらしく、そのことが原因で時々喧嘩になってしまうらしい。
そして、今日は実に楽しい1日だったと、締めくくろうと思ったら、何と、今度は無残なプリンスコンテストが始まった。
小太りにまさかの王子様スタイルだ。マジか?それが何人も出てくる。
目を覆いたくなった。ディズニーのハロウィンパーティーならまだしも結婚式でそれをするのか?
ど日本人顔にあの王子様スタイルは、まず、似合わない。
嗚呼、ディズニーウィルスの重症化も極まれり。私はそんな結婚式へのお招きには、謹んで、ご辞退させていただきたい。絶対吹き出すに決まっている。
何にしても今までで一番楽しい衣装合わせだったが、実は、後日談がある。
このカップルは、程なくして違う道を歩むことになる。やはり、彼の心配症が仇になったらしい。
「あんなに、(派手に)結婚式したのに申し訳なくって、父に謝ったんです。そしたら、お前は、ミッキーと結婚式やりたかったんだろう、夢が叶って良かったじゃないかって」
流石、イケてる後輩のお父様は、もっとイケていた。