小学校の運動会。
毎年5月にあるのだが、今年最初の真夏日か、というほど暑かったりする。学校のグラウンドに木陰などほとんどない。油断していると、子供の出場競技を待っている間に日焼けしてしまうので、服装なんてアンバランスでも構わない。つばの広い帽子をかぶり、この日のために呼び寄せた姉と二人でちょうど腰掛になる高さの石があったので、座って話していた時のことだった。いきなり、目の前に今どきのあのごっついベビーカーが突進してきて、鼻先へ突き付けられた。
「何?乱暴な」ちらと見上げると社宅で見かけるカバの親子だった。
「さもありなん。例のカバだよ」姉にこっそり耳打ちした。
「やだ、うちの地獄飯にそっくりじゃん」
ごめんなさいねのひとこともない。
中目の広場でも似たような光景があった。そこは時々イベントがあり、その日はよさこいソーランか何かの会場になっていた。
ステージと観客席との間を暗黙の了解でスペースを取ってあり(つまり明確な境界線はない)他の観客はそのスペースを守って座っている。その空いているスペースに空いてるじゃんと騒がしい家族がやってきて陣取った。明らかにその家族だけがその空きスペースに出っ張っている形だ。
「何、あの常識ない家族」と夫。
「う、あれ見て!やだ、カバの家族じゃん」
やだあ、どこの公共の場でもああやって傍若無人なのか。社宅周囲で時々見かけるが所作が乱暴で、行動が汚かったりするがいつものことなのか。
その後、出来るだけカバの方を見ないようにしてそそくさと帰ることにした。
たまたま、通りかかっただけだったのに、あんなシーンに出くわすとは、、、、、、。
これは、世間様と痛み分けってやつ?かなあ。