頼りになる同僚

ワンオペ時代のことは、ほとんど記憶がない。

育休明けに部署を替わったというのはある(1週間近くの出張がある課は無理だったので、自分の希望ではあったのだが)。

仕事と育児の両立とかカッコよいタイトルコールしている場合じゃない。目の前の仕事を慌てふためいてやっつけていくだけだった。日に日に疲弊していった。

どうしようと思うとき、本当に頼りになる後輩が助けてくれた。

○○さん、~をやっておきましたよ」

 え!忘れてた。

○○は、~でいいんですよね。わかってますよ」

 そうそう、その通り。助かるう。

いっぱい、フォローしてもらった。彼女とはこの手のやり取りばかりだった気がする。

「もう、いいですよ、やっときますから急いで帰ってください」

「ありがとう、あとは頼んだ」 

カッコつけはやめた。できないことはできない。60点しか取れないのに、なんで80点取らなきゃと、思ってたんだろう。

本当に申し訳ないけど、できる人のご好意に甘えさせてもらことにした。仕事もプライベートの記憶もほとんどないが、同僚に恵まれたことだけは覚えている。

その頼りになる後輩であるが、『学生の時、お勉強だけはできました、でもね...』というキャラではない。

強いて言えば、現場の、実戦の実務処理能力が高いって、こういうことなんだろうなあ。そう思わせる存在である。

いろいろなことに目が行き届いている割に、変なこだわりとか、役に立たない完ぺき主義がない。

だいたい、この無用の完ぺき主義って仕事では結構厄介だ。正論だけに反対がしにくいし、それを追求してたら期日に間に合わなかったり、誰がやるのって面倒な内容だったりする。

言い出しっぺがやればいいけれど、当の本人は大概やらないし、やったとしても、その分の余計な仕事を誰かが被ることになる。

その辺を実に上手くさばいてくれていた。ちょうどよい落としどころを心得ているのである。

そのくせ「私がやってあげました」みたいな恩着せがましいところがない。理想の同僚である。

残念ながら、今、彼女とは一緒に仕事をしていない。

本人の希望で九州の支店に転勤になったから。

彼女が異動の希望を出した時、直属の上司は、泣きそうになったらしい。新しく業務を拡大していた時だっただけに、仕事をさくさく、ミスなくさばいてくれる貴重な存在だったろうから。

わかるなあ、私でも泣いちゃうな。ワンオペ時代、私が破綻しなかったのは彼女がいてくれたおかげだと今でもつくづく思う。

ホントは会って話したいひとなんだけど。どうしても必要な時にしか連絡を取り合うことはない。

そのべたべたしない、さっぱりした関係、適度な距離感も気に入っている。

古典にある『君子の交わりは淡きこと水の如し』 そんな関係をいつまでも大事にしたいと思っている。

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