ウナギは、苦手だ。幼い頃、父が採ってきてさばいてたのを見てたから。
頭に釘を打たれてまな板の上をのたうち回っていたのが気持ち悪かった。
キャンプもあまり興味がない。
小学生の頃お風呂の修理中、庭に五右衛門風呂が出現した。入りにくくてストレスだった。
庭に七輪を出して魚を焼いたら煙が全部2階の部屋にこもってしまい怒られた。
庭のバーベキューも移動作業が大変だった。(プチ民宿化するとすぐやりたがる人がいる。自分達は飲んで騒ぐだけだから楽しいのだ)
竹の子堀りとか、山菜取りは春の行事。楽しいけど、はっきり言って重労働だ。
茶摘みは、防護しないと指が痛くなり、注意してないとアゲハの幼虫がいたりする。
せり、山椒に至っては、裏庭取り放題。
桃の実一つ一つに袋をかぶせるのは、ひどく神経使ったし、首が疲れた。
松茸は、山奥になるし、素人には分からないので行ってない。近所のおばさんが猪に追いかけられた怖い思いをしたのをお裾分けしてもらっていた。
栗は、枝を揺すってたら離れてたつもりでも頭の上に落ちてきてえらい目にあった。
兼業農家だったので、農繁期は大忙し。非力な子供なりに戦力だったので、楽しむよりも労働だった。
その内農作業が嫌だった私は、おさんどんという手伝いを受け持つことでそれらの作業を免除してもらっていた。
子供の頃に嫌でもやらされていたので、まるっきりアウトドアに興味が湧かない。何を好き好んで、わざわざ不便で大変なことを体験したいのか。
微かな記憶で面白かったのは、庭での味噌作り。多分遊んでいても怒られない幼さだったからではないか。
昔の街並み武家屋敷見学に行って驚いた。うちでは現役の蒸し器が飾ってあったから。
ただ、あれで蒸して作ったお赤飯は、本当に美味しかった。
1番覚えている楽しい思い出は、祖母と6月の夜になると蛍見散歩で近所を歩いたこと。
家からのんびり歩いて数分程度の川面の上の空間が蛍でいっぱいになるのだ。時々は、はぐれ蛍は、庭先までやってくる。
蛍の里なんて看板もないのに。
そんな私には、息子さんの中学受験の理科の問題は、びっくりだった。
植生や昆虫の知識。それらが日常でない息子は、参考書で見て覚えなくてはならないのだ。全くリアリティのない話だ。
私は、稀有な体験をしていたんだなぁと、気づいた。
でもどちらが幸福かは、判らない。